よもぎの基礎知識――古来から愛される“ハーブの女王”とは?



春、まだ冷えの残る風のなかにふと漂う、懐かしい草の香り。

土手や畑の隅、山のふもとで、ふわりと銀緑色の葉を揺らす植物――それが「よもぎ」です。



日本では古くから、よもぎは薬草として、また季節の行事や食文化の中でも広く親しまれてきました。

「草餅」や「もぐさ」といえば、多くの人がその名を知っているでしょう。



しかし、わたしたちが感じているよもぎの魅力は、それだけにとどまりません。



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よもぎとは、どんな植物?


よもぎはキク科の多年草。

中国では「艾葉(がいよう)」と呼ばれ、漢方薬としても重用されています。



『神農本草経』をはじめとする古代中国の文献や、

日本の『万葉集』『延喜式』などにもその効能が記されており、

人々は古来より、草のちからに命と願いを託してきました。



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“ハーブの女王”と呼ばれる理由


「ハーブの女王」とも称される理由は、その全方位的なはたらきにあります。

血行促進、冷えの改善、皮膚の保護、殺菌、虫よけ、そして心身のリラックスまで。



葉裏の白い綿毛は、まるで繊細な布のように草を守り、

触れた人をやわらかく包みこんでくれるようです。



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魔除け・浄化・霊的なよもぎの力


よもぎは、「魔を祓う草」としての歴史も持っています。

端午の節句によもぎと菖蒲を束ねて軒先に吊るしたり、

夏越の祓やお盆では、精霊や御霊を迎え、送り出す場面に登場したり。



その香りは「目に見えぬもの」に働きかけ、

空間や心身を清めると信じられてきました。



病を“気の乱れ”や“穢れ”と見ていた時代、

人々はよもぎを焚いて空間を整え、草の力で身を守ったのです。



それは呪術ではなく、自然と共にある生活のなかの「祈り」でした。



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よもぎファームで大切にしていること


わたしたち、よもぎファームでは、草の力をできるだけそのまま届けることを目指しています。

農薬を使わず、自然のリズムを見つめ、一本一本を手で摘み、香りとちからを閉じ込める。



収穫から加工まで、すべて人の手で、丁寧に行っています。

その作業の中に、私たちはいつも「慈しみ」の精神を見出します。



仏教で言えば「大悲(だいひ)」――

他者の苦しみに寄り添う、静かで深い思いやり。



よもぎは、主張せず、咲き誇らず、ただ静かにそばにいてくれる。

まるで菩薩のような在り方です。



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よもぎは「効能」ではなく「時間」をくれる草


わたしたちがよもぎを通して伝えたいのは、

単なる「効能」ではなく、“自分を大切にする時間”を取り戻すこと。



日々の忙しさの中で忘れかけた、

草の香りや手触り、そして感情の奥にある「ほっとする感覚」を、もう一度感じてほしいのです。



その時間こそが、小さな修行であり、

草を通じた癒しの祈りなのかもしれません。



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郡上の山あいで、在来のよもぎを無農薬で育てています。

草の力が、そっと寄り添うような製品を、これからも丁寧に作っていきます。


このBlogger記事が、どこかの誰かにとって、草と自分をつなぎ直すようなやさしい時間になれたら嬉しいです。

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