無農薬でよもぎを育てるということ|皮膚にも、心にも、安心して届く草を

 

岐阜県郡上市の山あいに広がる、よもぎファームの畑。農薬・化学肥料を使わずに育てられたよもぎが、一面に青々と茂る様子。

❶ 自然のままに育てるという選択

岐阜・郡上の山あいで、私たちは在来のよもぎを無農薬で育てています。

農薬、化学肥料、除草剤、殺虫剤……それらに頼らないというのは、ただの「こだわり」ではありません。

たとえば、よもぎ蒸しや入浴剤で使う草は、蒸気やお湯を通して、粘膜や皮膚からダイレクトに吸収されます。

ほんの少しの農薬残留でも、私たちの身体には確実に届いてしまう。

だからこそ、「本当に何も入っていない草」であることが、とても重要になるのです。

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無農薬のよもぎ茶を手に、香りを楽しみながら穏やかな表情を浮かべる女性。自然の恵みを身体に取り入れる、やさしい時間のひとコマ。

❷ 草の香りを、まっすぐ届けたい

よもぎを育てるというのは、「草の力」を信じるということ。

血行を促し、冷えをやわらげ、巡りを整え、女性の身体に寄り添ってくれる。

そんな薬草としてのちからを、余計なものに邪魔させたくないのです。

自然の香りは、どこまでも静かで、どこまでもやさしい。

人工香料では再現できない、その“まっすぐさ”を、お風呂やスチームの中で感じてもらえたらと思います。

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よもぎ畑で跪き、一株ずつ丁寧に手作業でよもぎを収穫する男性。除草剤や農薬を使わず、草の命と向き合う無農薬栽培の現場。


❸ 草を育てるのは、手間がかかる

実を言えば、よもぎは「放っておいても育つ」と思われがちです。

たしかに強い植物ではありますが、薬草として“きれいな姿で”育てるには、決して簡単ではありません。

私たちも最初は、虫の被害や雑草に手を焼きました。

放任すれば虫がつき、選別に膨大な手間がかかります。

そのため、防虫ネットを設け、草丈を調整しながら、日々試行錯誤を重ねています。

除草剤も殺虫剤も使わず、見た目にも美しいよもぎを育てようとすれば、想像以上に手間と時間がかかる。

それでもなお、私たちは薬草としての「安心と信頼」を、何よりも大切にしたいと考えています。

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広大な田んぼで防護服を着た農家が農薬を散布している様子。農薬の霧が朝焼けの光に照らされ、空気中に広がっている光景。


❹ 農薬とは何か。そして、使わないという決断

「農薬」とは、農作物を病気や害虫、雑草から守るために使う化学薬品の総称です。

その中には殺虫剤、殺菌剤、除草剤、さらには植物の成長を助ける化学肥料なども含まれます。

つまり、単に「農薬を使わない」ではなく、

「自然界にないものを畑に入れない」ということが、私たちの栽培方針です。

農薬だけでなく、化学肥料、除草剤、殺虫剤といったすべての化学的な処理を一切行わず、

湧き水と土と太陽に育ててもらう。

私たちが作りたいのは、「草そのものが、まるごと身体に届くもの」。

だからこそ、「なにも入れない」「なにも足さない」ことが、いちばん大事な選択なのです。

※私たちは農薬を使わない選択をしていますが、農薬そのものを否定する意図はありません。

作物や育て方にはさまざまな目的や事情があり、それぞれの現場に最適な方法があると考えています。

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新緑の中で深呼吸しながら両手を伸ばす若い女性。自然の中で心身ともに整い、穏やかな笑顔を見せている様子。


❺ 草を信じる暮らしのために

草は、私たちにとって単なる原料ではありません。

身体を整える相棒であり、心を静めてくれる友でもあります。

自然のままに育ったよもぎを、丁寧に乾かし、刻み、心をこめてお届けする。

それは、私たち自身が「本当に使いたい」と思えるものをつくる、という想いそのものです。

もしあなたが、身体の声にそっと耳をすませたとき。

「やさしいものに包まれたい」と感じたなら、そのそばに、草の力を添えてあげてください。

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岐阜・郡上の山あいで、在来のよもぎを無農薬で育てています。

「草のちから」がそっと寄り添うような製品を、これからも一つひとつ丁寧にお届けしていきます。

このブログが、どこかの誰かにとって、草と自分をつなぎ直すようなやさしい時間になればうれしいです。


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